子どもの事故予防:持丸正明氏

独立行政法人 産業技術総合研究所 デジタルヒューマン研究センターの持丸正明氏のお話。
 
冒頭、プールの排水溝に流されてしまった子どもの事故のお話。
実はそれまでにも60人/20年も同様の事故があった。
なぜ、学習しないのか。
 
危険には、ハザードとリスクの2種類がある。
・ハザード:本人が学習できない、重篤な、予測できない危険
・リスク:顕在化している、軽微な危険
ハザードは、本人が学習できないのだから、社会が学習するべき。
子どもの死因1位は事故。人口比率にしても先進国中で日本は多い方。
 
どういった特徴(登る・熱いとか)をもったものが、
どういった事故につながり、
どういった身体損傷につながるかのモデルを作った。
これで、事故が起こる前に予測できる。
 
事故がおこったとき、ただその道具を排除するだけでは駄目。
事故が起きる原因の構造化・抽象化をしないといけない。
・Energy:位置エネルギー、運動エネルギー、モーター
・Trigger:すべった、よじ上った
・Effector:固いもの、尖ったもの
例:階段の高い所から滑って落ちて床で頭を打った。
→Effectorである床が柔らかければ重篤な事態にはならない。
ひもで首がしまった。
→Effectorであるひもがちぎれるものであれば同上。
 
のみこみ事故
誤嚥は多い。キャップのデザインの紹介。
おにいちゃんがキャップを落とさないように転がり防止の仕様。
おとうとが万が一飲み込んでも大丈夫なように穴が開いている。
 
キッズデザインには
・事故(ハザードの方)の原因となるものをなくす
・子どもが使わないものも注意(シュレッダーとか)。子どもの目線はまったく違う。
・子どものチャレンジをそこなわない。