補正予算「最先端研究開発支援プログラム」

前に書いたお手伝いの話。
最先端研究開発支援プログラムの公募を手伝っていたのでした。
研究課題は「3〜5年間で世界をリードし、世界のトップを目指す研究課題であること」だそうで、
一件あたり総額30億円〜150億円程度の規模です。
これ↓
http://www8.cao.go.jp/cstp/sentan/about.html
本件の中心研究者の先生が
この予算申請がうかるかどうかではなく
科学技術がどこに向かうべきか、を考えていらっしゃるということを
目の当たりにして大変感動しました。
 
ついでに
「『先端的研究を推進して実現してほしいこと』に関するご意見募集」というものが実施されていました。
集計結果転載↓
http://www8.cao.go.jp/cstp/sentan/iken_sentan.pdf

(1) 「医療・健康・介護」が315 件(全体の約35%)で最も多かった。特に癌治療に関する意見が55 件と多く、次いでiPS 細胞やES細胞等を利用した再生医療の実用化や普及が47 件あった。痴呆症やアルツハイマーの治療(24 件)、うつ病精神疾患の治療(23 件)、パーキンソン症候群の治療(17 件)の確立や普及を求める意見も比較的多数あった。
(2) 次に「環境・エネルギー」が261 件(約29%)あった。資源対策や地球温暖化対策のための太陽光やバイオ技術を利用した新エネルギー等への転換について述べる意見が132 件と同分野の半分以上を占めた。
(3) 3 番目は「交通・通信」の98 件(約11%)で、交通事故防止や交通事故死をゼロにするための自動車開発やインフラ整備についての意見(26 件)が目立った。
(4) 次いで「食・食品」(61 件(約7%))ではバイオ技術向上による食料の増産技術の推進(22 件)についての意見が多かった。
(5) 「安全・安心」(55 件(約6%))では地震予知の実現や耐震化の進展等地震への防災技術向上等について、「豊かな暮らし・子育て」(24 件(約3%))では立体テレビ等ディスプレイ技術向上による余暇充実についての意見(7 件)等があった。
(6) 「その他」(97 件(約9%))では、有人宇宙ロケットの開発や宇宙エレベーターの建設、宇宙起源の解明等、宇宙に関すること(31 件)が目立った。

ついでに
「よろしければこちらにもお答えください:科学者、研究者の方たちにどういうイメージをお持ちですか?」の結果

2.悪いイメージ:23%
閉鎖的で偏っているというイメージ。またニーズを考えないという意見も。
「科学研究者は研究のための研究、論文のための研究に陥っている。研究は実際の現場に生かされなければ価値が半減する。常に現場に足を置いた研究が必要。(会社役員)」
「権威を重んじ、権威のある研究者以外の話は無視か潰す。研究費のでる分野は絞られるため、どんなに世の中に必要と思っても、研究できないことがある。(会社員)」
「社会との接点が少ないと、なんのために研究するのかという問題意識が世の中の期待からずれて来るのではと危惧します。(研究者)」等

(2番目はどこからそんなイメージが、と思ったけど。)
個人的には若い人ほど「研究のための研究、論文のための研究」ってなりがちな気がします。
(もちろんそうではない人の方も多いです。これは工学・デザインという応用中心の分野に特有なのかもしれないとも思う。)
学生は限られた時間で結果を出さないといけないので仕方ない面もあると思います。